きょう閉店する談話室滝沢=地下が新宿中央口店、2階が新宿別館(撮影:常井健一)

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商談や憩いの場として親しまれた老舗の喫茶店「談話室滝沢」が31日、全店舗に当たる東京・新宿、池袋、お茶の水の計4店を閉店、約40年の歴史に幕を下ろす。いずれの店も同日午後9時50分、看板を降ろす。

 「談話室滝沢」は1966年、新宿駅前に第1号店を開店。コーヒーなどの飲み物がすべて1000円と高めの価格設定だったが、1店舗あたり150─350席の客席を設けたゆったりできる店作りに定評があり、サラリーマン層などの固定客に親しまれた。

 全員が社員として訓練を受けたウエートレスの接客マナーも評判だったが、「近年は従業員の確保が難しくなったことなどから全寮制だった社員寮を廃止し、ウエートレスの約8割がアルバイトになっていたため、サービスの質を保つのが難しくなり閉店を決めた」(新宿別館店)という。

 この2日間の全店の売り上げは、災害復興支援のため日本赤十字社に寄付する。

 「滝沢」の閉店後、新宿・池袋の両跡地には、東和フードサービス<3329>が展開する高級喫茶店「椿屋珈琲店」(現在都内に2店舗)が入居を予定、5月下旬に新宿、6月に池袋でそれぞれ新装開店する。東和フードは「滝沢」の閉店を昨年秋ごろ聞きつけ、出店に乗り出した。同社は「『滝沢』のイメージが当社の高級喫茶店イメージと合致する部分がある。場所も好立地」と話す。「滝沢」独特の日本庭園風の内装は、「大正ロマン」をイメージしたレトロなものに変わる。【了】

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